一昔前の「家庭教師像」は、セレブな家庭のお坊ちゃまが受けるもの、というイメージがありました。学校教育の先取りや、有名私立中学への入学のためにです。時代の移ろいとともに、さまざまな受験塾に台頭によって、私立中学の受験には大手の一流塾で学ぶ、という形態が今の主流になっています。カリスマ有名講師のいる塾、進学実績の高い有名塾への入学が、そのまま希望する学校への登竜門となっています。
では、家庭教師は必要なくなったのか、といえばそうではありません。有名受験塾に合格するため、塾での成績を上げて塾内で上位のクラスへ入るため、という目的で家庭教師のサポートを受けている受験生は数多くいます。子どもの数が少なくなった少子化の現在、一人ひとりにより対応しやすくなったせいで、家庭教師界も多様化しています。学校の勉強についていけるようにするため、有名塾に入るため、塾の勉強のサポート的な役割をするためなどというように、授業を受ける側の要望に合わせた選択肢がたいへん多くなりました。
子どもが指導者に合わせる、ついていく、のではなく、指導する側が教える側に合わせてくれるようになってきたのです。これには、子どもの自主性や自立を心配する声もありますが、子どもが勉強しやすい環境を整えることで、学習意欲が増すというメリットの方が大きいというのが現実です。保護者の方々には、子どもの可能性を引き出すことのできる家庭教師選びを実践してほしいものです。